はじめに
2023年から2024年にかけて、日本は記録的な猛暑に見舞われています。この現象は、地球温暖化や気候変動の影響を受けた異常気象の一環として注目されています。本レポートでは、猛暑日の増加傾向、気象要因、地域別の影響、そして今後の見通しについて詳しく解説します。
猛暑日の定義と増加傾向
猛暑日とは、最高気温が35℃以上の日を指します。日本では、猛暑日が年々増加しており、特に2023年の夏は観測史上最も暑い夏となりました。全国で128地点が過去最高気温を記録し、北日本では3か月を通して平年を上回る気温が続きました(ウェザーニュース, 2023)。
気象要因
ダブル高気圧の影響
2023年の猛暑の主な要因の一つは、太平洋高気圧とチベット高気圧の「ダブル高気圧」によるものです。これらの高気圧が重なり合うことで、非常に強い高気圧が形成され、日本全体に厳しい暑さをもたらしました(ウェザーニュース, 2023)。
ラニーニャ現象
さらに、ラニーニャ現象の影響で、太平洋高気圧の張り出しが強まり、偏西風の南下が遅れたことも猛暑の一因とされています。このため、9月以降も残暑が長引く見込みです(ウェザーニュース, 2023)。
地域別の影響
北日本
北日本では、2023年の夏に観測史上最も高い気温が記録されました。特に青森県弘前市では39.3℃、秋田県横手市では39.2℃を記録しました(Wikipedia, 2023。
東日本
東日本でも猛暑が続き、東京都では2024年の6月から8月までに19回の猛暑日が記録されました。これは平年値を大きく上回るもので、熱中症による救急搬送者数も増加しています(てぐち, 2024)。
西日本
西日本では、特に7月に高温が続き、猛暑日が頻発しました。大阪市では34℃を超える日が多く、熱中症のリスクが高まっています(tenki.jp, 2024)。
沖縄
沖縄では、他の地域と比べて比較的涼しい夏となりましたが、それでも平年より高い気温が続きました。夜間も気温が下がりにくく、寝苦しい日が続いています(ウェザーニュース, 2023)。
気候変動の影響
気候変動は、猛暑日の増加に大きく寄与しています。地球温暖化により、CO2濃度が上昇し、気温の上昇が続いています。2023年の日本の年平均気温および日本近海の平均海面水温は、統計開始以降最も高い値となっています(気象庁, 2023)。
今後の見通し
2024年の秋には、ラニーニャ現象の影響で残暑が長引くと予想されています。太平洋高気圧の張り出しが強く、偏西風帯の南下が遅れるため、全国的に平年よりも気温の高い傾向が続く見込みです(ウェザーニュース, 2023)。
結論
日本の猛暑日は、地球温暖化や気候変動の影響を受けて増加しています。特に2023年から2024年にかけての猛暑は、ダブル高気圧やラニーニャ現象などの気象要因によって引き起こされました。今後も高温傾向が続くと予想されるため、熱中症対策や気候変動への適応策が求められます。
参考文献
- ウェザーニュース. (2023). 2023年の夏は過去最高を大きく上回る圧倒的な暑さ. https://weathernews.jp/s/topics/202309/010215/
- Wikipedia. (2023). 2023年の猛暑 (日本). https://ja.wikipedia.org/wiki/2023年の猛暑_(日本)
- てぐち. (2024). 猛暑日の日数と推移. https://www.teguchi.info/weather/summer/extremely-hot-day/
- tenki.jp. (2024). 九州から関東 週末にかけ猛暑日続出. https://tenki.jp/forecaster/a_aoyama/2024/09/04/30434.html
- 気象庁. (2023). 気候変動監視レポート2023. https://www.jma.go.jp/jma/press/2403/22b/ccmr2023.html
- ウェザーニュース. (2023). “ダブル高気圧”で8月下旬まで危険な暑さが継続. https://jp.weathernews.com/news/48320/